
TL;DR — ComfyUI 動画生成の主流は、1 枚絵を動かす image-to-video。ローカルで回すなら Wan 2.2 や HunyuanVideo などオープン重みモデルに 12〜24GB 以上の VRAM が要る。クラウドなら環境構築ゼロで、Wan 2.2 の i2v が 152cr (¥152) から。新規登録の無料 100 クレジットで回せる動画は最速の LTX-Video (97cr) 1 本ぶんなので、まずはそれで動きの方向性を確認し、本番だけ高品質モデルに回すのが安上がりだ。
「ComfyUI で動画も作れるらしい」と聞いて試したものの、VRAM 不足やビルドの沼で止まってしまった——そんな人は少なくない。この記事では ComfyUI 動画生成の全体像を、必要な機材・2026 年時点のモデル選び・1 本あたりのコストまで初心者向けに整理する。
ComfyUI 動画生成には何が必要?
ComfyUI 動画生成の主役は「1 枚の静止画を動かす」image-to-video (i2v) だ。アニメの立ち絵や生成したイラストをアップロードし、動きを指定すると数秒の動画になる。text-to-video (t2v、文章から直接動画) もあるが、キャラの見た目を固定しやすい i2v のほうが初心者には扱いやすい。
必要なものは 3 つに整理できる。
- モデル — Wan 2.2 (オープン重み)、HunyuanVideo 1.5 (同)、LTX-Video (同)、Kling・Seedance (API/クラウド専用) などの動画生成モデル
- ワークフロー — ComfyUI 公式が Wan 2.2 のネイティブワークフローを配布している
- GPU の VRAM — ここが最大の関門
ComfyUI 公式の Wan 2.2 チュートリアルによると、軽量な 5B モデルは FP8 で約 8〜12GB に収まる。一方で品質の高い 14B モデルを FP16 でフル稼働させると、text encoder 込みで 54〜65GB にも達する。
VRAM 早見表 (Wan 2.2 をローカルで動かす場合)
GGUF 量子化と T5-XXL テキストエンコーダの CPU オフロードを組み合わせれば、14B でも GPU 側は 6〜8GB まで下げられ、RTX 4070 (12GB) でも 480p なら回せる。ただし下の表のとおり、実用度は構成でかなり変わる。
| 構成 | GPU VRAM の目安 | system RAM | 実用度 |
|---|---|---|---|
| Wan 2.2 5B (FP8) | 約 8〜12GB | 16GB+ | 気軽に試せる |
| Wan 2.2 14B + GGUF量子化 + T5 CPUオフロード | 約 6〜8GB (480p) | 24〜32GB | 動くが 1 本 10〜15 分・忍耐が要る |
| Wan 2.2 14B (FP16 フル) | 54〜65GB | 64GB+ | 事実上データセンター級 GPU が前提 |
「とりあえず試したい」段階でフル構成を組むのは重い。1 本の生成に 10〜15 分かかることも珍しくなく、ここで多くの人が離脱する。
Wan・Kling・Seedance… 主要モデルの現況 (2026 年)
ComfyUI 動画生成で名前が挙がる主要モデルは、性格がはっきり分かれる。2026 年は「ネイティブ音声」「参照入力でのキャラ一貫性」「native 4K」が一気に標準化し、用途ごとの最適モデルが変わった。まず押さえるべきは、オープン重み (ローカルに落として動かせる) か、API/クラウド専用か の違いだ。
| モデル | 開発元 | 重み / 入手性 | 2026 年時点の位置づけ |
|---|---|---|---|
| Wan 2.2 | Alibaba | オープン (ローカル可) | image-to-video の定番オープンモデル。穏やかな動きが得意。2.5 以降は音声・1080p を追加した一方、提供は商用 API 中心に移行 |
| Kling 3.0 | Kuaishou | 商用 API | 2026-02-04 公開。最長 15 秒・native 4K/60fps・音声同時生成。大きな動き / シネマ表現の先頭集団 |
| Seedance 2.0 | ByteDance | 商用 API | 2026-02 公開。独立系の動画アリーナで t2v/i2v 首位級と評価。2.5 (30 秒・4K) を 2026-06 に予告 |
| HunyuanVideo 1.5 | Tencent | オープン | オープン重み中トップクラスの動き・物理整合性。480p |
| LTX-Video 2B | Lightricks | オープン | 軽量・最速。プレビューや動きの方向性チェック向き |
※ 古い解説記事では Kling を「v2.5」、Seedance を「1.5」と書いているものがあるが、2026 年 7 月時点の最新は上表のとおり Kling 3.0 / Seedance 2.0 (2.5 が enterprise beta)。数値・世代は各公式リンクで最新を確認してほしい。
選び方の目安はシンプルだ。
- イラストをふわっと動かしたい → Wan 2.2 の image-to-video
- 爆発・走るなど大きな動き / シネマ表現 → Kling 3.0・Seedance 2.0 Pro のような t2v モデル
- オープン重みでローカル完結したい → Wan 2.2・HunyuanVideo 1.5・LTX-Video
重要なのは、Kling・Seedance は API 提供のクローズドモデルで、自宅 PC に重みを落として動かすことはできない 点。ローカルで完結させたいなら Wan 2.2 / HunyuanVideo / LTX-Video などオープン重みモデルが選択肢になる。モデルごとの深掘り比較はAI 動画モデル徹底比較に、動きを引き出す書き方は動画プロンプトの書き方にまとめてある。
ローカルとクラウド、どちらで動かすべき?
ComfyUI を触って動画生成で挫折する人の多くは、モデルの使い方ではなく VRAM 不足とビルドの沼 でつまずく。ここが分岐点になる。
| 観点 | ローカル ComfyUI | クラウド (ComfyStudio) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高性能 GPU が必須 | 不要 (ブラウザだけ) |
| 使えるモデル | オープン重みのみ (Wan / HunyuanVideo / LTX) | オープン + API/クラウド専用 (Seedance など) |
| 環境構築 | ノード・依存関係・量子化を自力で | ゼロ (ログインして選ぶだけ) |
| 生成の待ち | 1 本 10〜15 分〜 | 数十秒〜数分 |
| 費用感 | 電気代 + GPU 償却 | 1 本あたり従量 (生成前に実額表示) |
| 向く人 | 高 VRAM を持ち、オフライン / プライバシー要件が厳しい人 | すぐ試したい・機材が無い・API モデルも使いたい人 |
クラウドの大きな利点は、オープン重みでない Seedance のような API モデルも同じ画面で使い分けられること。ローカルでは Wan のようなオープンモデルしか動かせないので、表現の幅が頭打ちになりやすい。ローカル/クラウドの損益分岐をもっと数字で見たい人は、ComfyUI クラウド実行とローカルの違いを合わせて読むと整理できる。画像生成ツールそのものの選び方で迷っているなら、ComfyUI と Automatic1111 の違いも参考になる。
ComfyStudio の動画ワークフローと費用
ComfyStudio は ComfyUI のワークフローをクラウドで実行する日本発の AI イラスト生成 SaaS だ。手元の GPU を問わず、ブラウザだけで ComfyUI 動画生成ができる。料金は 1 クレジット = 1 円 の従量課金で、生成ボタンを押す前に 1 本あたりのコストが見えるのが特徴だ。健全 (SFW) 特化のため、R18・実在人物の加工・ディープフェイクには非対応。全プラン商用利用 OK (生成物の権利は利用者)。
現在ブラウザで実行できる動画ワークフローと、その目安コストは次のとおり。
| ワークフロー | モデル | 種別 | 出力尺の目安 | 生成時間の目安 | コスト (1cr=¥1) |
|---|---|---|---|---|---|
| 動画プレビュー (最速お試し) | LTX-Video 2B | text→動画 | 約 5 秒 | 約 35 秒 | 97cr (¥97) |
| 1 枚絵を動画にする | Wan 2.2 | 画像→動画 | 約 5 秒 | 約 55 秒 | 152cr (¥152) |
| 短尺広告 (音声込み) | Seedance 2.0 Fast | text→動画 | 4〜15 秒 | 約 75 秒 | 360cr (¥360) |
| 高品質 (オープン重み) | HunyuanVideo 1.5 | text→動画 | 約 4 秒 | 約 240 秒 | 660cr (¥660) |
| ハイエンド (シネマ品質) | Seedance 2.0 Pro | text→動画 | 約 5 秒 | 約 180 秒 | 496cr (¥496) |
新規登録でもらえる無料 100 クレジットで回せるのは、この表のうち 「動画プレビュー」(97cr) の 1 本だけ。Wan 2.2 の i2v (152cr) 以上は無料枠では残高が足りず、クレジットの追加購入が必要になる。
コストの仕組みはシンプルだ。ComfyUI Cloud で回すオープン重み動画 (LTX / Wan / HunyuanVideo など) は クラウド計算 1 秒あたり 2.5 クレジット (= 2.5 円) × 安全係数 1.1 で、上表の「生成時間の目安」に比例する (例: 約 35 秒の LTX-Video なら 35 × 2.5 × 1.1 = 97cr)。1cr = 1 円なので、¥152 の動画は文字どおり 152 クレジット。Seedance 2.0 Fast だけは 1 本あたり固定料金の 360cr。いずれも生成前に本数ぶんの実額が表示され、残高から使った分だけ引かれる。動画は画像 (標準 2cr) より一段コストが高いので、まずは短尺・最速モデルで方向性を固めるのが定石だ。
用途 → モデル 早見表
- とりあえず動くか試す → LTX-Video 2B (¥97 / 無料枠 100cr で回せる唯一の動画)
- 描いた 1 枚絵を動かす → Wan 2.2 image-to-video (¥152)
- 音声込みの短尺 SNS 動画 → Seedance 2.0 Fast (¥360)
- オープン重みで高品質に → HunyuanVideo 1.5 (¥660)
- 納品級のシネマショット → Seedance 2.0 Pro (¥496)
ComfyStudio で image-to-video を試す手順
この記事の主役、1 枚絵を動かす i2v (Wan 2.2) の流れはこうだ。
- 画像を用意する — 動かしたいイラストや写真を 1 枚アップロード (SFW のみ)
- 「1 枚絵を動画にする」を選ぶ — Wan 2.2 ベースの image-to-video ワークフロー
- 動きを指定して生成 — カメラの動きと被写体の動きをプロンプトで書いて実行。数十秒〜数分で mp4 が完成
- ダウンロード — 生成物はそのまま SNS リールや VTuber 待機画面に使える
例プロンプト (i2v) —
anime girl waving, gentle wind, 5 seconds, looping(アニメ調の女の子が手を振る/そよ風/5 秒/ループ)。i2v は「入力画像の質」が仕上がりの 8 割を決める。先に画像生成で良い 1 枚を作ってから動かすと安定する。
自分の描いた 1 枚絵が ¥152 で動き出す体験は、ローカルで GPU と格闘していた頃には考えられなかった手軽さだ。会員登録なしのお試しから始められ、生成ギャラリーで他のプリセットも触れる。ほかのモデルやコストは料金ページで確認してほしい。新規登録で 100 クレジット無料 (クレジットカード不要)。ただしこの i2v は 152cr なので、無料枠だけで回せるのは 97cr の「動画プレビュー」(LTX-Video) のほう。まずは無料枠で動画プレビューを試すところから始め、動きの方向性が固まってから i2v にクレジットを足すのが無駄がない。
費用を抑える 3 つのコツ
- プレビューで方向性を固める — いきなり高品質モデルで回さず、最速の LTX-Video (¥97) で動き・構図を確認してから本番モデルへ。失敗の作り直しコストが激減する。無料枠 100cr でそのまま試せるのもこのモデルだ。
- 入力画像を先に仕上げる — i2v は元画像の品質がそのまま出る。標準画像生成 (2cr) で納得の 1 枚を作ってから動かす。
- 尺は必要最小に — 動画コストは計算秒数に比例する。まず短い尺で確定し、必要なときだけ長尺・高品質に上げる。
よくある質問
Q. ComfyUI 動画生成にはどのくらいの VRAM が必要ですか? A. Wan 2.2 の 5B は FP8 で約 8〜12GB、14B を FP16 で回すと text encoder 込みで 54〜65GB 必要です。GGUF 量子化と T5-XXL の CPU オフロードを使えば 12GB クラスの GPU でも 480p なら動きますが、system RAM は 24〜32GB を推奨します。VRAM に不安があるならクラウド実行が無難です。
Q. 画像を動画にする image-to-video では何ができますか? A. アップロードした 1 枚のイラストや写真を、プロンプトで指定した動きに沿ってアニメーションさせる機能です。Wan 2.2 は静止画に近い穏やかな動きが得意で、SNS リールや VTuber の待機画面づくりに向きます。走る・爆発するような大きな動きが欲しいときは、text-to-video のシネマ系モデル (Seedance 2.0 Pro など) が向きます。
Q. ComfyUI を入れなくても動画生成はできますか? A. はい。ComfyStudio のようなクラウド型 SaaS なら、ComfyUI のインストールや GPU の用意なしに、ブラウザだけで ComfyUI 動画生成のワークフローを実行できます。ローカルで動くオープン重みの Wan 2.2 / HunyuanVideo / LTX-Video に加え、API/クラウド専用の Seedance 2.0 も同じ画面で使い分けられるのが利点です。
Q. 動画生成は 1 本いくらかかりますか? A. ComfyStudio は 1 クレジット = 1 円で、Wan 2.2 の image-to-video が 152cr (¥152)、ハイエンドの Seedance 2.0 Pro が 496cr (¥496) など、生成ボタンを押す前に 1 本あたりのコストが表示されます。使った分だけの従量課金なので、月額固定のサービスより少額から試せます。なお新規登録時の無料 100 クレジットで回せる動画は、97cr の LTX-Video 版「動画プレビュー」1 本ぶんです。
参考 (2026 年 7 月時点・各公式)


