
AI 画像生成を仕事で使うときに最初に詰まるのが、「商用利用が本当に可能か」「権利は誰に帰属するか」「実在キャラや商標はどこまで NG か」という法務まわりです。技術的にきれいな絵が出せても、ここが曖昧だと納品も社内稟議も通りません。
この記事では、主要サービスを商用利用の観点だけで比較し、日本の企業・個人事業主が実務で確認すべき点を、そのままチェックリストとして使える形にまとめます。
本記事は一般的な情報であり、法的・税務的な助言ではありません。 実際の業務利用、特に大規模利用や上場企業での利用では、各サービスの最新の利用規約を確認し、必要に応じて弁護士・税理士にご相談ください。記載は 2026 年 7 月時点の公開情報に基づきます。
商用利用の前に確認する 5 項目

サービス選定の前に、この 5 つを確認すれば大きな事故はほぼ防げます。
| # | 確認項目 | 何を見るか |
|---|---|---|
| 1 | 生成物の権利帰属 | 利用者に帰属するか、サービス側も権利を持つか |
| 2 | 商用利用の条件 | 無料プランでも可か、特定プラン以上が必要か |
| 3 | クレジット表記の要否 | 「Powered by ◯◯」の表示義務があるか |
| 4 | 生成物自体の制限 | 実在人物・商標・NSFW など出力への制約 |
| 5 | 運営事業者の所在 | 国内か海外か(消費税処理・契約準拠法・表示義務) |
特に見落とされやすいのが 5 番です。技術要件だけで選ぶと、経理・法務の確認段階で差し戻されることがあります。
主要サービス比較(商用利用の観点)
| サービス | 商用利用 | クレジット表記 | 権利帰属 | 運営所在 |
|---|---|---|---|---|
| ComfyStudio | 全プラン可(無料枠含む) | 不要 | 利用者 | 日本 |
| Midjourney | 有料プランで可 | 不要 | 利用者 | 米国 |
| NovelAI | 有料プランで可 | 不要 | 利用者 | 米国 |
| DALL·E(ChatGPT) | 有料プランで可 | 不要 | 利用者 | 米国 |
| Adobe Firefly | 有料プランで可(IP 補償あり) | 不要 | 利用者 | 米国 |
| Stable Diffusion(ローカル) | モデルのライセンス次第 | モデル次第 | 利用者 | — |
Midjourney は年間売上 100 万ドルを超える企業には上位プランを求めるなど、企業規模による条件がある点に注意してください。ローカルの Stable Diffusion は「ソフトが無料」でもモデルごとにライセンスが違い、FLUX.1 [dev] のように非商用ライセンスのものもあります。
日本の企業が実務で気にする点
特定商取引法に基づく表示
自社の EC やサービスで AI 生成画像を使う分には問題ありません。論点になるのは、AI 生成サービス自体を再販するようなケースです。ComfyStudio は日本の事業者として特定商取引法に基づく表示を公開しています。
経費精算と消費税
海外サービスはドル建てのクレジットカード明細での精算になり、為替差と申告処理の手間がかかります。海外事業者からの電気通信利用役務の提供は、原則として日本の適格請求書が発行されないため、仕入税額控除の扱いが国内サービスとは異なります。
ComfyStudio は日本円・Stripe(日本)で決済されます。控除の可否や処理方法は契約形態と自社の課税区分によって変わるため、最終的な判断は顧問税理士にご確認ください。
生成してはいけないもの
以下はどのサービスでも基本的に NG です。違反するとアカウント停止に加え、法的責任を問われる可能性があります。
- 実在する著名人・芸能人の顔の生成(肖像権・パブリシティ権)
- 商標登録されたキャラクター(著作権・商標権)
- 特定作家の作風をそのまま再現し、その作家の作品として通用させる行為
- NSFW・18 禁コンテンツの公開(各サービスで明確に禁止)
- 誤情報やなりすまし目的の画像(ディープフェイク)
重要: これらを完全に自動でブロックできるサービスは存在しません。ComfyStudio は SFW 特化のサービスとして、未登録のお試し生成に NSFW 系の語句を弾く仕組みを入れていますが、実在キャラクター名や人物名まで機械的に判定しているわけではありません。最終的な確認は利用者側の責任になります。判断に迷う出力は公開しない、という運用を推奨します。
ユースケース別の選び方
| 使う人 | 用途 | 現実的な選択 |
|---|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | SNS・ブログの挿絵 | ComfyStudio の Lite 月額(¥980 / 1,500 クレジット) |
| EC 事業者 | 商品まわりの宣伝画像 | ComfyStudio + 自社撮影素材との合成 |
| 制作会社(中規模) | 案件のラフ・バリエーション出し | ComfyStudio で試行、仕上げは人間 |
| 大手企業 | 広告キービジュアル | 法的補償のある Adobe Firefly |
| VTuber・配信者 | 立ち絵・配信素材 | ComfyStudio の VTuber 向けワークフロー |
「重要な広告ビジュアルは補償付きサービス、日常の制作は国内 SaaS」という使い分けが、コストとリスクのバランスとして現実的です。
費用感の目安
ComfyStudio は 1 クレジット = 1 円の従量制で、標準画像 1 枚が 2 クレジットです。
| プラン | 月額 | クレジット | 標準画像の目安 |
|---|---|---|---|
| 無料登録 | ¥0 | 100(初回) | 約 50 枚 |
| Lite | ¥980 | 1,500 | 約 750 枚 |
| Standard | ¥1,980 | 3,600 | 約 1,800 枚 |
| Business | ¥14,800 | 35,000 | 約 17,500 枚 |
登録時の 100 クレジットはカード登録なしで使えるので、法務確認と並行して実際の出力品質を検証できます。詳しい料金の考え方は ComfyStudio 料金プラン完全ガイドにまとめています。
まとめ
商用利用の観点で「全プランで商用可・生成物の権利は利用者・日本の事業者・日本円決済」という条件をまとめて満たせるのは、国産 SaaS の強みです。一方で、学習データに起因する法的リスクをゼロにできるサービスは存在しないため、重要案件では補償付きサービスを併用し、生成物には人間の手を入れるという運用が現実的な落としどころになります。
まずは自社の用途で実際に使えるレベルの絵が出るかを確認するのが先決です。無料登録して 100 クレジット(標準画像で約 50 枚)を試すところから始めてください。カード登録は不要なので、稟議の前に手元で検証できます。


