
インディーゲーム開発でいちばん時間を食うのが 2D アセット制作です。キャラスプライト、背景、UI アイコン、カットイン——1 タイトルで数百枚必要になることも珍しくありません。外注すれば 1 体 5,000 円・納期 2 週間、自分で描けば本業が止まる。ここが多くの個人開発者の詰まりどころです。
この記事では、ComfyStudio の**ゲーム素材ワークフロー(1 枚 4 クレジット = ¥4)**で素材を量産する具体的な手順と、短編 RPG 1 本ぶんの実際のコストを、透過処理まで含めて計算します。
対象: Unity / Unreal / Godot / RPG ツクール / Ren'Py 等で 2D を扱う開発者。ピクセルアートからイラスト調まで。
いちばん重要な注意|透過 PNG はプロンプトでは作れない
先に、多くの人がつまずく点から書きます。
プロンプトに transparent background と書いても、透過 PNG にはなりません。 ゲーム素材ワークフローは text-to-image なので、出力されるのは背景が塗られた不透明な画像です。「透明っぽいグレーの市松模様」が描かれた画像が返ってくることさえあります。
スプライトに必要なのは本物のアルファチャンネルです。正しい手順はこうです。
| 手順 | 使うもの | クレジット |
|---|---|---|
| 1. キャラを生成する | ゲーム素材ワークフロー | 4 cr / 枚 |
| 2. 採用したカットだけ背景を抜く | 「背景を透明にする」ワークフロー | 9 cr / 枚 |
全試行を透過に回す必要はありません。採用が決まったものだけ通せば十分です。手元に Photoshop / Krita / GIMP があるなら自分で抜いても構いません(その場合 0 円)。境界が複雑な髪やマントは、ワークフロー側に任せた方がきれいに抜けます。
キャラクタースプライトを作る
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プロンプトは「主語 → キャラ属性 → 構図」の順で組むと安定します。
| 要素 | 書き方の例 |
|---|---|
| 主語 | 2d game sprite / pixel-art character |
| キャラ | female warrior, blue armor, sword |
| 構図 | full body, facing camera, centered |
| 背景 | plain flat background(後で抜くので単色が抜きやすい) |
ネガティブプロンプトには lowres, blurry, multiple characters, watermark, cropped を入れておきます。
コツ: 背景は「透明」ではなく単色の平面を指定してください。後段の背景透過が最もきれいに抜けます。複雑な背景を描かせてから抜くより、境界がはっきりします。
同じキャラのバリエーションが欲しいときは、seed を固定したまま装備や色だけプロンプトで変えます。完全一致はしませんが、シリーズとして並べたときの違和感は大きく減ります。
背景・ステージアートを作る
背景は透過が不要なので、生成したものをそのまま使えます。
| ジャンル | プロンプト例 |
|---|---|
| ダンジョン | dark fantasy dungeon, torches, stone walls, top-down view |
| 町 | medieval town, day, marketplace, isometric |
| 森 | enchanted forest path, sunlight rays, side scroller background |
| SF・宇宙船 | spaceship interior, neon panels, sci-fi, side view |
視点(top-down / isometric / side scroller)を必ず明示するのが要点です。これを省くと、ゲームに使えない斜め視点の絵が返ってきがちです。
UI アイコン・小物

アイコン類は game ui icon, <対象>, flat design, plain background, centered の型で回します。武器・ポーション・宝箱などは 1 プロンプトで複数試行し、トーンの揃ったものを選ぶと統一感が出ます。
UI は透過が必須なので、採用分は背景透過に通してください。
短編 RPG 1 本の実コスト試算
3 時間プレイ規模を想定した、透過処理まで含む現実的な数字です。
| 項目 | 枚数 | 生成 (4cr) | 透過 (9cr) | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 主要キャラ 8 体 × 5 試行 | 40 | 160 cr | 8 枚 = 72 cr | 232 cr |
| 背景 12 種 × 3 試行 | 36 | 144 cr | 不要 | 144 cr |
| UI アイコン 30 種 × 2 試行 | 60 | 240 cr | 30 枚 = 270 cr | 510 cr |
| カットイン 6 枚 × 4 試行 | 24 | 96 cr | 不要 | 96 cr |
| 合計 | 160 | 640 cr | 342 cr | 約 982 cr |
**透過を自分で処理する場合は 640 クレジット(¥640)**で収まります。月額 Lite(¥980 / 1,500 クレジット)なら透過込みでも 1 か月で足ります。
外注すると主要キャラ 8 体だけで 4 万円前後・納期 2 週間。試行錯誤を含めて 1,000 円前後で一通り揃うのは、個人開発では現実的な差です。まずは登録時の無料 100 クレジットでキャラ 25 枚ぶん試して、絵柄が自分のゲームに合うかを確かめてください。カード登録は不要です。
後処理|AI 出力をそのまま使わない
プロの素材制作では、最後に必ず人間の手が入ります。
- 背景透過後、輪郭に残った縁の色を除去する
- ゲームエンジンの規格サイズに合わせてリサイズする
- 全アセット間で色温度・彩度を揃える(これをやるだけで「AI 感」が大きく減ります)
- ピクセルアート調にする場合は、ニアレストネイバー縮小や Aseprite で整える
特に 3 番が効きます。個別に見ると良い絵でも、並べると色調がばらつくのが AI 生成物の弱点です。まとめてカラー補正をかけてください。
権利まわりの注意
AI 生成物には「他者の権利を侵害していないか」の確認が要ります。実在ゲームのキャラクターに酷似した出力を商用リリースに使うのは避けてください。配信プラットフォーム(Steam / App Store 等)の AI コンテンツポリシーも、リリース前に必ず確認してください。商用利用の考え方は 商用利用可能な AI 画像生成サービスの選び方に詳しくまとめています。
まとめ
2D アセットの制作コストは、外注比で 1/10 以下まで落とせます。要点は 3 つです。
- 透過 PNG はプロンプトでは作れない。 生成(4cr)→ 背景透過(9cr)の 2 段構えが正解
- 背景は単色で生成する。 後段の透過が最もきれいに抜ける
- 採用分だけ透過に回す。 全試行を通す必要はない
短編 RPG なら 1,000 クレジット前後、透過を自分で処理すれば 640 クレジットが目安です。無料の 100 クレジットでキャラ 25 枚ぶん試せるので、まず絵柄の相性から確認してみてください。


