
VTuber を始めたい、あるいは Live2D で動くオリジナルキャラを作りたい——でも「絵が描けない」「立ち絵の外注は数万円かかる」でつまずく人は多いはずです。そこで注目されているのが、ComfyUI や AI で VTuber・Live2D 用の素材(立ち絵・表情差分・パーツ)を作るという方法です。
この記事は、その全体像を最短で掴むためのガイドです。結論から言うと、AI が得意なのは「ベースの立ち絵」と「表情・パーツの差分」を量産すること。一方で、Live2D で滑らかに動かすための「レイヤー分け」と「隠れている部分の描き足し」は Live2D 編集ソフト側の仕事です。この役割分担を理解すると、AI 素材づくりが一気に実用的になります。実在人物・既存 VTuber の顔を再現する用途はできない点にも先に触れておきます。
結論を急ぐ方へ:まずはオリジナルキャラの立ち絵を1枚出してみるのが最短です。ComfyStudio なら無料の100クレジット(カード不要)で、標準の立ち絵を約25枚ぶん試せます(標準生成=4クレジット=約4円)。
AI・ComfyUI は VTuber 素材づくりの「どこ」を担うのか
まず押さえるべきは、VTuber の Live2D モデル制作は「1枚絵を描く」だけでは完結しないということです。工程は大きく次の3つに分かれます。
- 立ち絵(ベースイラスト)を用意する — キャラデザ確定・全身の立ち絵。
- パーツ分け・表情差分を用意する — 目/眉/口/髪などの差分、隠れている部分の描き足し。
- Live2D で組む — レイヤー分割・メッシュ・変形設定でモデルを動かす。
このうち 1 と 2 の「絵を用意する」部分を AI・ComfyUI が大幅に肩代わりできます。3 の「動かす設定」は Live2D Cubism などの専用ソフトで人が行う領域です。
ComfyUI は画像生成のワークフローを自由に組めるツールですが、環境構築(Python・GPU・モデルの導入)に数時間かかるのが最初の壁です。「まず立ち絵を1枚出して感触を確かめたい」段階なら、ComfyStudio のようにブラウザだけで ComfyUI 系ワークフローを実行できるクラウド SaaS(2026年時点)を使うと、GPU も環境構築も不要で始められます。
VTuber の立ち絵を AI で作る手順
立ち絵は VTuber モデルの土台です。ここが決まらないと差分もパーツ分けも進みません。AI で立ち絵を作るときのコツは、全身・正面・シンプル背景で、後工程で分解しやすい素直なポーズにすることです。
立ち絵向けのプロンプト構成の例(オリジナルキャラ前提):
masterpiece, best quality, 1girl, solo, [髪型・髪色], [瞳の色], [服装], standing, full body, front view, arms at sides, symmetrical, simple background, white background, anime style
ポイントは3つです。
full body, front view— Live2D の基本は正面向きの立ち絵。斜めや動きのあるポーズは後で分解しづらくなります。arms at sides(腕を体の横に) — 顔や体の前に手がかぶると、パーツ分けのとき隠れ部分の描き足しが増えます。simple background/white background— 後で背景透過(切り抜き)しやすくするため、背景は無地に寄せます。
使うモデルは用途で選びます。2026年時点で、質感を上げたいなら FLUX.2[dev] 系が候補です。ComfyStudio の標準生成(official_text_v1)は文章→画像で 1枚4クレジット=約4円なので、構図が決まるまで低コストで何枚も試せます。キャラの一貫性を保つ具体的なテクニックは、AIで同じキャラを一貫して生成する方法にまとめています。
表情差分を作る — 同じキャラのまま目・眉・口を変える
VTuber 配信では、喜怒哀楽の表情差分が命です。同じキャラの顔を保ったまま、表情だけを何パターンも用意する必要があります。
AI で表情差分を作るときの鉄則は、「顔の輪郭・髪型・構図は固定、変えるのは表情タグだけ」。具体的には次の流れです。
- ベース立ち絵で気に入った構図が出たら、シードを固定する。
- プロンプトの表情タグだけを差し替える(下表)。
- さらに顔まわりだけを描き換えたいときは、img2img(FLUX.2 edit)でベース画像を渡し、目や口だけを変更する。
| 表情 | 差し替える表情タグ |
|---|---|
| 通常・笑顔 | smile, looking at viewer |
| 大笑い | open mouth, laughing, closed eyes |
| 驚き | surprised, wide eyes, open mouth |
| 怒り | angry, frown, sharp eyes |
| 泣き・困り | crying, teary eyes, sad |
| 照れ | blush, embarrassed, wavy mouth |
| 目を閉じる | closed eyes, gentle smile |
img2img は元画像を下敷きにして一部だけ変えるので、ゼロから生成するよりキャラの同一性を保ちやすいのが強みです。ComfyStudio では img2img(FLUX.2 edit)は 1枚6クレジット。表情タグの引き出しを増やしたい人は、アニメの塗り・表情プロンプト集も参考にしてください。
Live2D の「パーツ分け」の考え方
ここが VTuber 素材づくりで最も誤解されやすいポイントです。AI が出す1枚絵は「見えている部分」しか描かれていません。Live2D で動かすには、動く部品ごとにレイヤーを分け、他のパーツに隠れている部分まで描き足す必要があります。
Live2D で最低限分けたい代表的なパーツは次の通りです。
| パーツグループ | 分けるレイヤー例 | なぜ分けるか |
|---|---|---|
| 髪 | 前髪 / 横髪 / 後ろ髪 | 揺れ・なびきを個別に付けるため |
| 目 | 白目 / 黒目(ハイライト) / まぶた / まつげ | まばたき・視線移動のため |
| 眉 | 左右の眉 | 表情変化のため |
| 口 | 口(開閉パーツ) | リップシンク(口パク)のため |
| 顔 | 顔の輪郭 / 頬(赤み) | 顔の傾き・照れ表現のため |
| 体 | 首 / 胴 / 腕 / 服 | 呼吸・体の傾きのため |
重要なのは、隠れている部分の描き足しです。たとえば前髪の下の額、まぶたを開けたときに見える眼球全体、口を開けたときの口内などは、元の立ち絵には描かれていません。ここは Live2D Cubism 側でレイヤーを分け、隠れ部分を補完する作業になります。
AI 素材づくりの段階でできる下ごしらえは2つあります。
- 前髪をおろしすぎない・手で顔を隠さない立ち絵にする — 隠れ部分が減り、描き足しが楽になります。
- パーツ単位で個別生成する — 髪飾り・小物・差分の目や口を、
simple backgroundで単体生成しておくと、後で素材として合成しやすくなります。
なお「AI に完全に分割まで任せる」ことは2026年時点では現実的ではありません。レイヤー分けと隠れ部分の描き足しは、Photoshop/CLIP STUDIO や Live2D Cubism 上で人が仕上げる工程として見込んでおくと、期待値がずれません。
背景透過で素材化する
立ち絵やパーツを Live2D に取り込む前提として、背景を透過(切り抜き)しておくと扱いやすくなります。無地背景で生成しておけば、背景透過ワークフローできれいに人物・パーツだけを抜き出せます。
ComfyStudio には背景透過(切り抜き)のワークフローもあり、9クレジットで利用できます。立ち絵を透過 PNG にしてから編集ソフトへ持ち込む、というのが定番の流れです。
AI × Live2D 制作フローの全体像(比較表)
「どこを AI に任せ、どこを人がやるか」を一枚に整理すると次のようになります。
| 工程 | 主な担い手 | 使うもの | ComfyStudio での目安 |
|---|---|---|---|
| キャラデザ・立ち絵 | AI 生成 | 文章→画像(official_text_v1) | 4クレジット=約2円/枚 |
| 表情・パーツ差分 | AI 生成 | img2img(FLUX.2 edit) | 6クレジット/枚 |
| 背景透過(切り抜き) | AI 処理 | 背景透過ワークフロー | 9 クレジット |
| レイヤー分け・描き足し | 人(手作業) | Photoshop / CLIP STUDIO 等 | — |
| 動かす設定(メッシュ・変形) | 人(手作業) | Live2D Cubism 等 | — |
つまり AI は「絵の量産」を、人は「動かすための構造化」を担うという役割分担です。立ち絵と差分の枚数が多いほど AI の恩恵は大きく、無料100クレジットでも標準立ち絵を約25枚ぶん試せるので、まず感触を掴むには十分です。
VTuber 用アバターづくりの全体像や、そもそものキャラ作りから知りたい人はAIでVTuberアバターを作る方法もあわせてどうぞ。
実在人物・既存 VTuber を再現するのは NG
大前提として、実在の人物や既存 VTuber・タレントの顔・見た目を再現する目的での生成には対応していません。特定の人物に「似せる」使い方は避けてください。
VTuber 素材づくりで AI を使うときは、あくまでオリジナルのキャラクターデザインとして作るのが原則です。オリジナルであれば、ComfyStudio では全プラン商用利用 OK(SFW)なので、配信・グッズ・SNS アイコンなどにも使えます。既存キャラの二次創作的な再現や、実在人物の肖像生成は行わないでください。
まとめ|まずは立ち絵を1枚出してみる
ComfyUI や AI で VTuber・Live2D 用の素材を作るコツは、役割分担を理解することに尽きます。AI が得意なのは立ち絵と表情・パーツ差分の量産、人が担うのはレイヤー分け・隠れ部分の描き足し・Live2D 上の動かす設定。ここを切り分ければ、絵が描けなくてもオリジナル VTuber の素材づくりを前に進められます。実在人物・既存 VTuber の再現は避け、オリジナルキャラで作るのが原則です。
考えるより先に、まずは立ち絵を1枚出してみるのが理解の近道です。ComfyStudio なら環境構築もGPUも不要で、無料登録で100クレジットを受け取り(カード不要)、標準の立ち絵を約25枚ぶん試せます。気に入った構図が出たら、表情差分や背景透過へ進んでいきましょう。
- 生成を試す(ギャラリー):/generate
- VTuber アバターの作り方:AIでVTuberアバターを作る方法
- 同じキャラを保つコツ:AIで同じキャラを一貫して生成する方法
- 塗り・表情のプロンプト:アニメの塗り・表情プロンプト集

