
TL;DR — 厚塗り(painterly)を AI で狙うなら、末尾の画風ブロックを
thick painting, painterly, visible brushstrokes, soft blended shading, volumetric lightに差し替えるのが基本。アニメ塗りとの分かれ目は「色面の境界をなじませるか、くっきり割るか」です。厚塗りを守りたいときはネガティブにflat color, cel shading, hard outlineを入れます。環境構築なしで試したい人は ComfyStudio が近道で、標準生成は 1 枚 4 クレジット=約4円、仕上げ用の上位モデル(例: Seedream 4.5)は 1 枚 18 クレジット、無料 100 クレジットで標準画像なら約 25 枚ためせます。
厚塗り(あつぬり)風のイラストを AI で出そうとすると、多くの人が「なぜかセル塗りみたいにのっぺりする」「立体感が出ない」という壁にぶつかります。原因のほとんどは、塗り方を指定する語彙が足りていないことにあります。この記事では、厚塗り・厚塗り風イラストを狙って出すためのプロンプトを、質感・筆致・ライティングの指定語彙に分けて整理し、アニメ塗りとの違い、コピペで使えるテンプレ、そして実際の生成にかかる想定クレジットまで、2026 年版としてまとめました。
結論:厚塗りは「境界をなじませる語」で決まる
先に結論です。厚塗りを AI で出す鍵は、色と色の境界をなじませ、筆の跡と立体感を残す語を末尾に置くこと。基本テンプレの画風ブロックを次に差し替えれば、多くのモデルで厚塗りに寄ります。
thick painting, painterly, visible brushstrokes, soft blended shading, volumetric light, semi-realistic
そして、のっぺりしたセル塗りに落ちないよう、ネガティブに flat color, cel shading, hard outline, flat shading を入れる。この 2 点だけで、厚塗りの再現率は大きく上がります。以下では、質感・筆致・光の語彙を細かく掘り下げていきます。
厚塗りとアニメ塗りの違い(プロンプトの分かれ目)
厚塗りを安定して出すには、まず「アニメ塗りと何が違うのか」を言語化しておくのが近道です。両者は塗りの思想が正反対で、指定すべきタグも逆になります。
| 観点 | 厚塗り(painterly) | アニメ塗り(セル塗り) |
|---|---|---|
| 色面の境界 | なじませる・ぼかす | くっきり分ける |
| 陰影 | グラデーションで立体的 | 明暗2〜3段でフラット |
| 筆致 | 筆の跡を残す | 均一で跡を残さない |
| 質感 | 油彩・厚塗りの重厚感 | 平面的・クリーン |
| 主なタグ | thick painting, painterly, blended | cel shading, flat color |
| ネガティブに入れる | flat color, cel shading | realistic, 3d |
つまり、厚塗りを狙うときは「アニメ塗りの語(flat color / cel shading / hard outline)を プロンプトから外し、ネガティブに回す」のが定石です。逆にアニメ塗りが欲しいときの切り替えは、アニメ塗り・セル塗りのプロンプト集 にまとめています。
質感を指定する語彙 — 厚塗りの「重さ」を出す
厚塗りの魅力は、絵の具を重ねたような質感の厚みです。これは質感を表す語で出し分けます。狙いに合わせて 1〜2 個を末尾に足してください。
| 出したい質感 | タグ |
|---|---|
| 油彩っぽい重厚感 | oil painting, impasto, thick paint |
| デジタル厚塗り(イラスト寄り) | digital painting, painterly, rendered |
| なめらかに溶けた塗り | blended colors, smooth gradient, soft shading |
| 半写実の質感 | semi-realistic, detailed rendering |
| ざらついたマチエール | textured, rough brush, canvas texture |
impasto(インパスト=絵の具を厚く盛る技法)は厚塗りの質感を強く出す語で、油彩寄りの重さを狙うときに効きます。デジタルイラスト寄りのなめらかな厚塗りなら digital painting, blended colors の組み合わせが扱いやすいです。
筆致を指定する語彙 — 筆の跡でタッチを作る
同じ厚塗りでも、筆の跡(ストローク)をどれだけ見せるかで印象が変わります。「筆致を残したラフな厚塗り」か「なめらかに溶かした厚塗り」かを、次の語で指定します。
- 筆跡をはっきり残す:
visible brushstrokes, bold brushwork, painterly strokes - ラフで勢いのあるタッチ:
loose brushwork, expressive strokes, sketchy painting - なめらかに溶かす:
smooth blending, soft edges, seamless gradient - 細部まで描き込む:
detailed brushwork, refined rendering
「厚塗りにしたのに写真みたいにのっぺりする」ときは、visible brushstrokes や painterly の重みを (painterly:1.2) のように上げると、筆の存在感が戻ります。逆に「筆跡が荒すぎる」ときは smooth blending を足してタッチをなじませます。
ライティングを指定する語彙 — 立体感の決め手
厚塗りの立体感は、塗りそのものよりも光の設計で決まります。光源と陰影を具体的に指定すると、平面的な絵が一気に立体になります。
| 狙い | タグ |
|---|---|
| 空気感のある光 | volumetric light, atmospheric lighting |
| ドラマチックな明暗 | dramatic lighting, chiaroscuro, strong shadow |
| やわらかな回り込み | soft lighting, subsurface scattering |
| 逆光・輪郭光 | rim light, backlighting |
| 暖かい夕景 | golden hour, warm light |
| 映画的な陰影 | cinematic lighting, moody |
chiaroscuro(明暗法)は厚塗りと相性がよく、光の当たる面と影の面のコントラストで立体感を強調できます。厚塗りは陰影のグラデーションで見せる塗りなので、soft lighting でやわらかく回すか、dramatic lighting でメリハリを付けるかを最初に決めると、方向性がぶれません。
コピペで使える厚塗りプロンプト テンプレート集
ここまでの語彙を組み込んだテンプレです。[ ] を差し替えるだけで厚塗り風のイラストが作れます。すべて品質タグ→キャラ→服→画風の順に並べています。
王道の厚塗りキャラ(半写実)
masterpiece, best quality, 1girl, [髪型・髪色], [服装], thick painting, painterly, visible brushstrokes, soft blended shading, volumetric light, semi-realistic
油彩寄りの重厚な厚塗り
masterpiece, best quality, 1girl, [服装], oil painting, impasto, thick paint, dramatic lighting, chiaroscuro, detailed rendering
やわらかいデジタル厚塗り(キャラアイコン向け)
masterpiece, best quality, 1girl, [表情], upper body, digital painting, blended colors, smooth shading, soft lighting, painterly
厚塗りの一枚絵(背景込み)
masterpiece, best quality, 1girl, [服装], [場所・背景], thick painting, painterly, atmospheric lighting, depth of field, cinematic, detailed background
差し替えに便利な要素の例です。
- 髪型・髪色:
long hair,wavy hair,silver hair,auburn hair - 服装:
coat,dress,armor,casual clothes - 場所:
forest,ruined city,cafe interior,sunset field - 仕上げ:
volumetric light,rim light,golden hour,moody
まずはこのテンプレを走らせ、質感・筆致・光の語を 1 つずつ変えて変化を観察するのが、厚塗りの語彙を身につける最短ルートです。ComfyStudio の生成ページ ならブラウザに貼り付けてすぐ試せます。
厚塗りネガティブプロンプト — のっぺりを防ぐ
厚塗りが崩れる最大の原因は、アニメ塗り・フラット化に引っ張られることです。次のネガティブを土台にすると立体感を保てます。
flat color, cel shading, hard outline, flat shading, lowres, bad anatomy, bad hands, jpeg artifacts, watermark, worst quality, low quality
症状ごとの追加も決めておくと対処が速くなります。
| 症状 | 追加するネガティブタグ |
|---|---|
| セル塗り・フラットに寄る | flat color, cel shading, anime coloring, hard shadow |
| 線がくっきり出すぎる | hard outline, bold lineart, thick outline |
| 写真みたいに質感が消える | photorealistic, 3d render(半写実は残したい範囲で) |
| 手・指が破綻する | bad hands, extra digits, fused fingers |
厚塗りは半写実に寄せることが多いので、realistic を全部ネガティブに入れると質感まで消えてしまいます。「実写化は防ぎたいが立体感は残したい」ときは photorealistic, 3d render だけを外すのがコツです。
実際の生成コスト — 厚塗りは何クレジット?
厚塗りは陰影の階調が命なので、仕上げの品質でモデルを選ぶとコスパよく詰められます。ComfyStudio は 1 クレジット=1 円で、ワークフローごとに消費クレジットが固定されています。
| 用途 | モデル / 処理 | 消費クレジット | 円換算 |
|---|---|---|---|
| 標準の厚塗り生成 | FLUX.2 [dev](official_text_v1) | 4 cr | ¥4 |
| 上位モデルで厚塗り仕上げ | Seedream 4.5 | 18 cr | ¥18 |
| 既存絵を厚塗り化 | FLUX.2 edit(img2img) | 6 cr | ¥6 |
おすすめの流れは、まず標準(4cr)で構図とプロンプトを固め、本命の 1 枚だけ上位モデル(例: Seedream 4.5・18cr)で仕上げるやり方。たとえば標準で 10 枚試して(40cr)、そのうち 1 枚を上位モデルで仕上げても(18cr)、合計 58cr=¥58 に収まります。新規登録の無料 100 クレジットなら、標準の厚塗りを約 25 枚ためせるので、語彙の当たりを掴むには十分です。料金の全体像は 料金プラン完全ガイド にまとめています。
厚塗り以外の塗り・線画も押さえておく
厚塗りを軸にしつつ、隣接する塗りや線画の語彙も知っておくと、作品ごとに塗りを切り替えられて便利です。
- アニメ塗り(セル塗り):くっきりした色面で王道アニメに。アニメ塗りのプロンプト集 を参照。
- 線画(lineart):塗る前のベースや同人の下絵に。線画・lineart のプロンプト集 にまとめています。
- アニメ全般の書き方:構図・カメラ・ネガティブまで含めた基礎は アニメ AI イラストのプロンプト書き方 が入り口になります。
厚塗りで出した線画ベースを img2img(FLUX.2 edit・6cr)で塗り重ねる、といった組み合わせも実用的です。
まとめ|厚塗りは語彙で狙って出せる
厚塗りは「なんとなく」では出せませんが、質感(impasto / oil painting)・筆致(visible brushstrokes / smooth blending)・光(volumetric light / chiaroscuro) の 3 系統の語彙を末尾に置き、アニメ塗りの語をネガティブに回すだけで、狙って再現できるようになります。あとは標準で当たりを掴み、本命を上位モデルで仕上げるだけ。
環境構築なしでこの記事のテンプレをすぐ試したいなら、ComfyStudio に無料登録(100 クレジット付与・クレジットカード不要)して、生成ページに厚塗りテンプレを貼り付けるのが最短です。標準の厚塗りなら約 25 枚ぶん、リスクゼロで語彙の効き目を確かめられます。


